今週のNZラグビー

11/27 ウェールズ vs オールブラックス


15.マリ・ムレアイーナ
14.イサイア・トエアバ 13.コンラッド・スミス 11.ホセ・ギアー
12.サニー・ビル・ウィリアム 10.ダニエル・カ−ター
9.ジミー・コーワン

8.キエラン・リード
7.リチャード・マッコウ 6.ジェロモ・カイノ
5.サム・ホワイトロック 4.ブラッド・ソーン
3.オーウェン・フランクス 2.ケビン・メアラム 1.トニー・ウッドコック
 

 
16.アンドリュー・ホー (ケビン・メアラムと交代)
17.ジョン・アフォア (オーウェン・フランクスと交代)
18.アンソニー・ボリック (サム・ホワイトロックと交代)
19.ダニエル・ブレイド (キエラン・リードと交代)
20.アンディー・エリス (ジミー・コーワンと交代)
21.ステファン・ドナルド (ダニエル・カ−ターと交代)
22.マアア・ノヌ (サニー・ビル・ウィリアムと交代)


1.GethinJenkins 2.MatthewRees(C) 3.AdamJones
4.BradieyDavies 5.Alun−WynJones
6.DanLydiate 7.SamWarbourton
8.ライアン・ジョーンズ

9.マイク・フィリップス
10.ステファン・ジョーンズ 12.ジェイムス・フック
11.TomJames 13.トム・シャンクリン 14.GeorgeNorth
15.LeeByrne


16.HuwBennett 
17.PaulJames (GethinJenkinsと交代)
18.JonathanThormas (ライアン・ジョーンズと交代)
19.AndyPowell (DanLydiateと交代)
20.マーティン・ウィリアムス (SamWarbourtonと交代)
21.RichardRees (マイク・フィリップスと交代)
22.AndrewBishop (トム・シャンクリンと交代)

 

 11/28 ウェールズ vs オールブラックス  観戦記
 
 オールブラックスはこの北半球遠征最後のゲームで初めてカパ・オ・パンガの
Hakaを披露して、最後も気合入れてウェールズと戦う心意気を見せてくれましたが、
またもやこのウェールズ戦では恒例になりつつあるキックで得点を取り合って逆に
ウェールズの評価を回復させるようなゲームになりました。

 しかし昨年の6ネーションズ戦でのイタリア戦以来7戦勝利の無いウェールズは
地球上トップチームを苦しめることが出来ましたが、大事なところでのミスも多く、
オールブラックスに突き放される結果となったのも確かです。

 このゲームでダニエル・カーターはジョニー・ウィルキンソンの持つ総得点記録を
抜くことは確実視されてましたが、意外とその結果が出るのは2回目のプレスキックと
なりました。

 このゲームでも最初に得点をあげたのはABではなくウェールズ。しかもゲーム開始
のキックオフ後最初のステファン・ジョーンズが蹴り上げようとするキックボールに
対するチャージが危険なタックルと見なされゲーム開始から1分でウェールズに
3点が上げられます。

 けれどゲームが動き始めると終始動きを止めないABのアタックに対してウェールズ
の出だしはあまり良くなくミスが目立ちます。その隙を突いてABは簡単なトライを前半に
2本とります。

 最初のトライはウェールズに3点先行された直後始まるABのアタックでウェールズ陣地
に入って得たペナルティーはキックで同点を狙わずサイドラインに蹴りだしラインアウトから
のセットプレイ。

 このセットプレイで今回のABバックス陣の強力なところが分かります。ラックからのボール
をカーターが大きなパスで12;サニー・ビル・ウィリアムスに供給するとSBWは相手デフェンス
のターゲットと自らなりボールを繋ぐ役目、そこで14;イサイア・トエアにパス。トエアバは
デフェンスラインが甘いと見て角度を変えて縦に突っ込む。これに対するタックルが本当に
高くて甘いものになって3人のタックルを叩き落としながらトエアバは突き進み、最後はサイド
ライン際を駆け上がる11;ホセ・ギアーにパス。そしてギアーはパスを受けると楽々トライを
左隅に取ってしまいます。

 このコンバージョンをカーターがわずかに外してウィルキンソンの記録に並ぶ機会を逸っし
ましたが、その後直ぐにウェールズのラックでのペナルティーから47mほどのキックを見事に
決めてカーターはあっさり新記録を作りました。けれどこの日のカーターのキックは前半あまり
調子は良くなくこの後3本のキックを外しています。

 3−8となってABは早いボール回しでどんどんウェールズデフェンスにアタックを仕掛けて
いきます。ホセ・ギアーが、ムレアイーナが、そしてコンラッド・スミス、イサイア・トエアバなどの
バックス陣が強力にラインブレイクを仕掛け、ウェールズ陣地にあっという間に入り込みますが
さすがにウェールズデフェンスもそれを食い止めボールを奪い返すとキックでAB陣地にボール
を戻すことが繰り返されます。

 この動きを両軍とも止めたく無いようでペナルティーを得ても直ぐにボールを動かし始め、キック
ボールがサイドラインを切ってもクイックスローインでカウンターアタックを仕掛ける。お互いボール
を動かし続けるプレイが前半の中盤は延々続きました。

 そんな中で次第に足が止まってきたのがウェールズのほうで、敵陣22mライン内から蹴り
返されたボールをホセ・ギアーが受けるとウェールズから誰も駆け上がってこないのでこのときは
じっくりと攻める感じでまずはカーターにパス。カータ-もこのデフェンスラインの動きをじっくり見る
ようにプレッシャーを感じることなくそのデフェンスラインの穴を探りながらセンターラインまでやって
くる。そしてデフェンスラインの前に来るとテンポを一変させ体を交差させるようにムレアイーナに
パス。ムレアイーナはカーターの体を盾にしてあっさりライン突破。この動きに足の止まったデフェンス
はついて来れずムレアイーナはハンズオフでタックラーを一人交わした後はゴールラインまで独走
するトライを見せます。これも楽勝のトライに見られました。

 これでABが突き放していくかな?と思われましたが、ウェールズはここから立ち直ってきます。
デフェンスを固めるようになり、キックボールを有効に使いAB陣地を奪っていきます。

 一度は12;ジェイムス・フックが22mライン内でのアタックからゴールラインに突っ込んだシーン
もありましたが、ムレアイーナのタックルでトライを防がれます。けれど連続攻撃は続かないけど
ラインアウトやスクラムでAB陣地内でゲームを進めることによって前半はウェールズがボール
所持率44%にもかかわらずテリトリーはABを上回って63%獲得した結果2本のペナルティー
キックから9−13と食い下がる感じで前半を終えます。

 後半入ってからもABはボールを持ち続けたいので自陣深くからでもボールを回してきますが、
それに対してウェールズはデフェンスがしっかり機能して行き、そしてキックボールを使ってはAB
陣地へと入って行きます。そしてこの後半始まる前後にお互いベンチから興味深い交代が行われます。

 オールブラックスは前半終了間際に膝を痛めたキエラン・リードに代わりダニエル・ブレイドが、
そして47分にサニー・ビル・ウィリアムスに代えてマアア・ノヌを投入。同じく47分にウェールズは
注目のNo。8ライアン・ジョーンズと6番という2人のフランカーを同時に代えます。

 この効果が早速出たのはウェールズのほうでした。AB陣地22mライン付近のウェールズライン
アウトから始まったアタックでゴールライン手前のラック内でダニエル・ブレイドがイエローカード
となるペナルティーを犯してステファン・ジョーンズのキックから12-13と1点差に詰め寄り大歓声
が上がります。

 この後のキックオフ直後ウェールズは自陣からのアタックでABからペナルティーを取り、更に
大歓声が上がったのですが、このフリーキックをまたもやサイドサインに蹴り出すことをミスり
ABのカウンターアタックを受けます。

 このカウンターアタックから始まる連続攻撃でまたもやあっという間に、最後はホセ・ギアーが
右隅に飛び込んでトライを取り、カーターのキックもこれは決まって12-20と引き離します。

 その後ABは逆に14人なのでなるべくウェールズ陣地内でゲームを進めるようにして、しかも
フォワードを前面に押し出すピック&ラックを使ってゆっくりと攻め込みます。そしてペナルティー
を得て12-23としたところでダニエル・ブレイドがSin−Binから出てきます。

 この時点で62分。ここでもオールブラックスが引き離して行くかな?と思われた事とは逆に
ウェールズが盛り返してきます。12-23となってABが15人に戻った直後攻めあがる守りで
ABからペナルティーを奪いすぐさま15-20として、続けてスクラムで踏ん張り、ペナルティー
を奪うと47mと距離はありましたがステファン・ジョーンズがそのペナルティーキックを無難に
決めて18−23とまた詰め寄ってきます。サポーターの声援も盛り返してきます。そしてカーター
のサイドラインに蹴り出すキックボールが珍しく大きすぎるミスが出て更にウェールズサポーター
は盛り上がります。

 けれどこの状況で焦らず、流れを取り戻すのはオールブラックスのほうでした。しっかりとデフェンス
を固め、ボールを持つと全員参加のアタックをすばやく見せてトライを2本連続で取ります。

 AB陣地中央からのウェールズアタックをしっかり食い止め10mラインから前進を許さず、
仕方なくステファン・ジョーンズはABバックスの裏に小さくキックボールを上げキック&チェイスを
試みますがボールはサイドラインを切りABラインアウトになります。

 後半2本目となるトライはこのラインアウトから始まり、自陣から攻めあがるときにセンターライン
までもって行ったのはジェロモ・カイノの強力ラインブレイクでした。このカイノはこの日の
最優秀選手に選ばれることになります。そして敵陣に入るとABのムレアイーナがキック&チェイス
を試みこれもウェールズの12番ジェイムス・フックにボールを取られますが、フックが敵陣に蹴り
返そうとするその足元にムレアイーナがタックルを掛けボールはAB側にこぼれます。

 これをABフォワードがすばやく回しますが、ラックからジョン・アフォア/ケビン・メアラム/
ブラッド・ソーン、そしてソーンからのパスがアンソニー・ボリックにわたるときにはデフェンスにも
ぽっかりと穴が出来、そこをボリックが駆け上がり最後はバックスのイサイア・トエアバが止めを
刺すトライを決めて18−30となります。

 そしてこの直後もABはスピードを緩めず相手のキックボールからボールをすばやく繋ぎ、センター
ラインを越えてウェールズ陣地10mラインまでの間で右にそして左に大きなパスを使いボールを左右
にすばやく動かします。そしてラックとなったところからブラインドサイドにジミー・コーワンが
駆け上がりながら相手タックルを食らう前にバックパスでムレアイーナにパス。そしてムレアイーナも
パスを受けると同時に襲って来たタックルをしっかり受けながら自ら壁となり後ろから来る
ジョン・アフォアにパスを繋ぐ。そうするとアフォアの前にはゴールラインまで誰もいないようになって
プロップ控えのアフォアがドタドタと独走トライを決めました。

 これで18−37となり時間も77分。さすがに安全圏に入ったABでしたがウェールズは最後まで
あきらめを見せず最後の最後にABのデフェンスラインを崩して1本きれいなトライを取ったところで
ゲームは終了となりました。

 オールブラックス 37−25 ウェールズ (前半13−9)
 

 

 

 

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